日本排尿機能学会は、泌尿器科だけでなく神経内科、産婦人科、リハビリテーション科、看護学科、生理学、薬理学、薬学、などの各領域からエキスパートが参加している国際的な学術団体です。
日本排尿機能学会事務局
〒910-1193
福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
福井大学医学部泌尿器科学教室内
電話兼FAX:0776-61-8669(直通)
E-mail:japannb@u-fukui.ac.jp

日本排尿機能学会理事長
武田正之
(山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科学 教授)

日本排尿機能学会理事長の武田正之でございます。謹んで皆様にご挨拶をさせていただきます。
本学会は昭和48年に神経因性膀胱研究会として発足して以来、30年以上に渡り下部尿路(膀胱、尿道及び前立腺)機能障害の問題に取り組んできました。
主な診療対象は当初の脳血管障害や脊髄障害などによる神経因性膀胱機能障害から、前立腺肥大症、過活動膀胱、女性骨盤底障害(腹圧性尿失禁、膀胱瘤)、小児泌尿器科疾患などへ大きくひろがり、最近では「下部尿路機能障害」、あるいは症状を中心とした呼称である「下部尿路症状:LUTS」を主たる対象としつつあります。会員数は1,200名を越えて、泌尿器科医のみならず、産婦人科医、神経内科医、生理学者、薬理学者、看護師、理学療法士など多くの職種が参加しております。
本学会は基礎的研究にも大きな力を注いできております。解剖学、組織学、生理学、生化学、薬理学、分子薬理学、分子神経学、脳科学、中枢神経画像医学、再生医学などを基盤としたこれまでの多くの研究によって、神経系とその受容体、下部尿路平滑筋、そして尿路上皮やその近傍のペースメーカー細胞と求心性神経などの個々の機能と統合的制御機構の理解が深まっています。特に前立腺肥大症治療の第一選択薬である交感神経系α1受容体遮断薬(αブロッカー)、過活動膀胱治療の第一選択薬である副交感神経系ムスカリン受容体遮断薬(抗コリン薬)は、神経受容体に関する分子薬理学的研究の進歩と平行して1990年代以降に急速に開発が進み、人口の高齢化による下部尿路機能障害治療薬に対する需要の増大も相まって世界的な市場となっています。
薬物治療の進歩だけではなく外科的治療に関してましても、1990年代以降 大きな進歩が見られています。尿道括約筋機能不全に対する人工尿道括約筋埋め込み術、女性の骨盤底障害に対する人工材料を用いた低侵襲外科治療であるTOT・TVM手術、口腔粘膜遊離グラフトなどの自己組織による下部尿路再建術は世界中に普及し、さらには各種の幹細胞を用いた再生医療による下部尿路再建方法も臨床応用されつつあります。このような下部尿路機能学、あるいは「下部尿路医学」は、いわゆる良性疾患のみならず、最近では前立腺癌治療に伴う「下部尿路機能障害」をも対象としています。
本学会は、国際化の発展のために、世界中の著名な研究者からEditorial Boardに参加していただいて英文雑誌「LUTS」の発行を行っています。また、Pan-Pacific Continence Society Meetingを韓国、台湾と共同で毎年1回開催しており、さらに多くの国の参加を予定しております。
このように、本学会は老若男女を問わず 生活の質に大きな影響を持つ下部尿路機能に関して、総合的な臨床・研究・教育・啓蒙活動を行っており、今後の大きな発展が期待されます。
最後になりましたが、本学会に対する皆様のより一層のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。